今回は、コロナ禍でよくみられる身体の異変をまとめていきます。
その異変とは「横隔膜の硬さ」です。
この異変によって自律神経にも影響を及ぼして常に身体が緊張状態となり、ストレスが溜まりやすく疲れが取れない「不休モード」に突入している方が多いです。
今回は本を参考にしてはいませんが、こちらの本が参考になるかと思いますので、興味がありましたらポチってみてください。
ということで、今回は現代人の横隔膜についてまとめていきます!
1.横隔膜とは?
2.現代社会で横隔膜に起きた異変とは?
3.横隔膜を緩める簡単なセルフケア
それではいきましょう!
1.横隔膜とは?
横隔膜は、呼吸に関わる大事な膜です。
「膜」といっても「筋肉」と同じ組織であり、呼吸筋に分類されてます。
胸部と腹部の境にある膜状の筋肉で、肋骨の下端をぐるっと囲むよう付着しており、クラゲのような形をしています。
息を吸うときは、横隔膜が収縮して下に動くことで胸腔内に空気が入り込み、吐くときは横隔膜が緩んで上に動くことで空気が肺から押し出されます。
また、横隔膜は自律神経と密接に関わっています。
自律神経は、交感神経と副交感神経によって構成されています。
交感神経の働きが上がると気持ちは高揚し、副交感神経の働きが上がるとリラックスします。
この2つのバランスが整っている状態が理想なのですが、コロナ騒動が起きた現代社会では横隔膜に異変が起こり、このバランスが崩れている方が多く存在しているのです。
2.現代社会で横隔膜に起きた異変とは?
一番最初にもお伝えした通り、「横隔膜の硬さ」に異変が起きています。
要するに、横隔膜が硬くなっているのです。
コロナ禍で皆さんに共通していた生活習慣があります。
それは「マスク」です。
コロナが流行してから、長時間マスクを装着する生活が始まりました。
マスクの装着により、通常の呼吸よりも空気が吸えず、呼吸量が浅くなったのです。
横隔膜は筋肉ですので、使わなければ徐々に衰えてしまいます。
つまり、呼吸が浅くなってしまったことで横隔膜の動きが衰え、硬くなってしまっているのです。
ここでお話を先程の自律神経に戻します。
不安や緊張など負の感情を抱えているときは、交感神経が優位になります。
そのため、副交感神経の働きが低下してリラックスと正反対の状態になることから、呼吸は速く浅くなってしまいます。
ストレスや不安を感じることが多い人は、この「速くて浅い呼吸」が習慣化し、次第に横隔膜が硬くなっていきます。
したがって、今までは
交感神経が優位となる→呼吸が浅くなる→横隔膜が硬くなる
という順序で横隔膜の症状が見られていました。
しかし、現在は逆です。
長時間マスクを装着する生活習慣が身についたことで、
横隔膜が硬くなる→呼吸が浅くなる→交感神経が優位になる…→不安や緊張などの負の感情を抱えてしまう
このような負の連鎖が起きているのです。
交感神経優位となることは負の感情を抱え込んでしまうだけでなく、常に緊張状態となり身体が休めない状態になります。
そのため、しっかり寝て朝起きても疲れがとれていないというような不休モードが完成してしまいます。
これが最近多くの方に見られる症状です。
3.横隔膜を緩める簡単なセルフケア
・深呼吸
簡単にできることは、やはり「深呼吸」です。
呼吸量が浅くなっているのだから、深く呼吸することが大事になります。
また、深呼吸により横隔膜を動かして緩めていくのと同時に副交感神経を働かせることができるので、自律神経のバランスを取り戻す効果もあります。
呼吸法には様々な方法がありますが、ここでは1:2呼吸法をお伝えします。
極度にプレッシャーがかかる状態で集中ができる人は、無意識に「1吸ったら、2吐く」、「1:2呼吸法」をしています。
自律神経が非常に高いレベルで安定するので、周囲の状況を的確につかむことができ、細かい作業を思い通りに行うことができます。
「1:2呼吸法」のやり方は、とても簡単です。
①3~4秒間、鼻から息を吸う
②6~8秒間、口をすぼめて、口からゆっくり吐く
③これを5~7回繰り返す
息を吐く際は、なるべくゆっくり長く吐くことを意識してください。
ゆっくり息を吐くという行為は、頸部にある「圧受容体」の反応を促して、副交感神経の働きを高めてくれます。
横隔膜の運動以外でも、緊張やストレスを感じた時に実践してみてください。
・ストレッチ
何度も言うように、横隔膜は筋肉です。
そのため、もちろんストレッチで緩めることもできます。
今回は横隔膜を直接緩めていくために、ダイレクトな方法をお伝えします。
横隔膜を緩めるポイントに番号①~④を表記しています。
座った状態で、この番号順に、両手をそれぞれ指を立てて入れていきます。
指を入れたまま前に屈んでいくと、指がお腹の中に食い込んでいきます。
その状態で深呼吸。特に息を長く吐くことで、横隔膜に指が食い込んで緩んでいきます。
①が終わったら少し上に指をずらして②において、同じようにやっていきます。
④にいくにつれて硬く痛みも伴うため、無理のない範囲で行ってみてください。
運動後は、横隔膜あたりの柔らかさや呼吸のしやすさを実感できると思います。
今回は以上になります!
当院での施術では、横隔膜を必ずチェックして緩めるようにしています。
横隔膜が硬いと、副交感神経優位とならないため身体が休めず、治癒が遅くなるからです。
整体に行かずとも、出来ればセルフケアなどを試していただきたいですね。
基本はやはり「深呼吸」を行うことや「身体を休める時間」を作ることだと思います。
たまには何も考えずリラックスする時間を作ることで、交感神経優位となって緊張していた身体が解けていくことができます。
忘れかけていた本来の身体の状態を取り戻してみてください。
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