実は世界的にみて日本人は姿勢が綺麗ではないと言われています。
そのため、今回は姿勢における様々な視点から正しさを追求して本来あるべき姿勢を見直していただければと思います!
1.良い姿勢について
世間一般の「良い姿勢」とは、背筋が伸びて胸を張り「美しい」と思えるような姿勢です。
特に日本人は「良い姿勢」と言われると小学生の頃から習慣づけられた「気をつけ」の姿勢を連想されます。
「ピシッ」という効果音が現れるように背筋を伸ばして顎をひくなどの動作がとられます。
しかしこれがそもそもの間違いです。
姿勢とは本来、身体の様々な部位(骨格、筋肉、関節、神経)が互いに調和して、自然体の状態で重力に対して最適なバランスを保ちながら身体を支える状態であることが理想です。
良い姿勢を取るために意識的に姿勢を修正してその状態を保っていることは、常に身体を緊張させている状態のためエネルギーが消費しやすく疲れやすい、そして何か作業をするためには非効率的な姿勢であると言えます。
そのため本当に良い姿勢というのは、「美しい」「疲れにくい」「動きやすい」という3条件を満たしていなくてはなりません。
見た目が美しく、どんな状況においても機敏に反応して的確かつしなやかに体を動かせる状態が必要です。
2.姿勢の本質
姿勢については解剖学的、生理学的、運動学的、心理学的などに考えてみる必要があります。
解剖学的に正しい姿勢か=綺麗な姿勢か
生理学的に正しい姿勢か=疲れにくい姿勢か
運動学的に正しい姿勢 =動きやすい姿勢か
心理学的に正しい姿勢 =心が落ち着いている姿勢か
それぞれのジャンルによって何が正しいか異なります。
世間一般的な「良い姿勢」というのは解剖学的な姿勢を意味し、綺麗かどうかが判断の基準になっていることがわかります。
したがって、本質的に良い姿勢とはどのジャンルで分析しても正しい姿勢となります。
条件をまとめると•••
① 美しい
② 疲れにくい
③ 動きやすい
④ 心が落ち着いている
これらが備わったものだと考えられます。
解剖学的に正しい姿勢とは、以下の条件が満たされているものがあげられます。
例えば横向きでは重心線の位置が
耳垂→肩峰(肩関節の先)→大転子(足の付け根の出っ張り)→外果(外くるぶし)
となっていることが正しい姿勢と位置付けられています。
そのためには背骨の可動性、骨盤の向きなど骨格の正常性がポイントになってきます。
運動学には、身体の外側の筋肉(アウターマッスル)にあまり頼らず、背骨や体幹の筋肉(インナーマッスル)で立っていられているか。
他にも心理学的に脱力した状態かつ横隔膜が十分に働き呼吸状態が落ち着いて安定した状態を保てているかなどが正しい姿勢に必要な要件となってきます。
美しさが求められがちですが、脱力してリラックスした状態、つまりは何も意識していない自然体の状態で美しい姿勢を作ることが本来の正しい姿勢のゴールになります。
3.正しい姿勢を獲得するためには
世界的に見ても、日本人の姿勢の評価はあまりよろしくないようです。
その一つの原因として、長時間のデスクワークが影響していると言われています。
2011年時点ですが、世界各国のデスクワーク時間の割合を示したデータでは日本がサウジアラビアと共に1位となっています。
長時間のデスクワークは、骨盤を後傾させて円背を作り出すため、いわゆる猫背型の姿勢になりやすいです。
そのため腹筋が働かず、お腹が前に出てしまうような見た目になってしまいます。
そして肩を丸めて横隔膜が閉じてしまい、呼吸も浅くなっていきます。
したがって、日本人が姿勢を修正していくために必要な課題として
① 背骨を反らす方向の可動域を確保する
② 骨盤を起こすこと(前傾)ができるようになる
③ 腹筋などのインナーマッスルを働かせる
④ 肩を広げて深呼吸ができる状態を作る
などが挙げられます。
これらのセルフケア方法は様々あり、SNSやYouTubeなどで自分に合ったものを見つけていただく方が早いと思います。
そのため、今回は簡単にできるシンプルな修正方法をお伝えしたいと思います。
① 立ち姿勢で顎を引く
② 息を吐いてお腹を引っ込める(腹式呼吸)
③ おへその位置が顎から下に線を下ろしていった位置まで引っ込めたら完成
この状態だと腹筋が働き、背筋を伸ばすなど余計な緊張を入れずに姿勢を整えることができます。
これはあくまで正しい姿勢を知るための方法であるため、まずは自分の正しい姿勢を知ってそこに近づけていくために身体の構造的な課題を解決していくことをお勧めします。
ということで、今回は姿勢についてまとめてみました。
良い姿勢=「美しさ」だけでなく、疲れにくさや動きやすさなども追求していただければと思います!
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