さて、今回はカラダの使い方に関する本のご紹介です。
合同会社LOCOCLAN代表、作業療法士でありヨガ指導者でもある合理的なカラダを創る整体&ヨガスタジオStudio-Roots-MORIOKAオーナーの今村泰丈氏の著書「正しい「後屈」入門」です。
数えきれないほどの経歴を持ち、岩手県盛岡市を拠点に活動されている治療家さんです。
偉業者に多いいわゆる変人なところもありますが、低音イケボで安定感があり、全国のセラピストから認められる経験と人間性を持つ方です。私自身も公私共にお世話になったこともあり、尊敬している治療家の一人です。
「正しい後屈」と題されていますが、その本の中身はカラダの使い方や仕組みについて、普段なら知ることのできない情報が分かりやすく丁寧にまとまっています。
この内容を是非たくさんの方々に知っていただきたいと思い、大きく3つにまとめてご紹介させていただきます。
1.現代人に後屈が必要な理由
2.背骨からカラダを見直そう!
3.正しい後屈の仕方
それではいきましょう!
1.現代人に後屈が必要な理由
後屈というのは、「カラダを後ろに反らす動き」です。
もっと細かく言えば、「背骨を後ろに反らす行為」です。
(※正しい後屈「入門」より引用)
そんな後屈が現代人に必要な理由とは
後屈が「現代社会の不調を解消するために必要な動作」だからです。
新型コロナウイルス感染症の影響で、現代社会では外出機会が減り活動量が低下しました。
さらに、リモートワークという新たなワークスタイルが普及してデスクワーク社会となり、カラダを動かすことすらなくなりました。
その結果、カラダは硬くなり、姿勢は崩れ血液循環も滞るような状態に陥る方が増えています。
このような状態を打破するために後屈は効果的な運動になります。
では、何故後屈なのか?
それについては、カラダの大黒柱である「背骨」について知る必要があります。
2.背骨からカラダを見直そう!
(1)背骨が守る「神経」「支持」「運動」
背骨は頸椎7個、胸椎12個、腰椎5個の計24個の椎骨が積み重なって構成されています。
そしてこの背骨には
・「神経」を守る「保護」の役目
・自重を支える「支持」の役目
・下半身と上半身を連動する「運動」の役目
という大きく3つの役割を担っています。
(※プロメテウス解剖学より引用)
背骨の中には脊髄という中枢神経が走り、脳とカラダをつなぐパイプラインになっています。
脊髄を損傷すると、このパイプラインが破綻して脳の指令がカラダに上手く伝わらず、思うようにカラダを動かせなくなったり感覚異常を引き起こします。
また、背骨には身体を支えるという重要な役割があります。
この支持機能が壊れてしまうと、身体の自重を支えるために様々な組織に負担がかかり、腰痛などをはじめとした色々な症状が出てきます。
さらに、背骨は上半身と下半身を連動する役割を担っています。
野球のピッチャーのような投球フォームは、背骨を通して下半身の力を上半身に連動させボールを投げます。
背骨が硬く動きに制限があれば、この連動が発揮できないため投球速度を出すことができないでしょう。
つまり、背骨の動きは運動のパフォーマンスに直結しているわけです。
(2)後屈をマスターするべき3つの理由
著者の今村氏は、前屈よりも後屈の方が大切であると述べています。
むしろ、正しい後屈ができれば前屈や開脚もできるようになる!とも強調されています。
なぜなら、背骨の動きを最も意識しやすい動作が後屈だからです。
そんな後屈をマスターするべき理由が
①正しいカラダの動かし方(特に背骨)がイメージできる
②機能的な柔軟性を得ることができる
③肩こりや腰痛の根本的な原因を解決することができる
これら3つのメリットを体感することにあります。
デスクワークやPC作業が増え、さらにはスマホ社会である現代は、前屈みの姿勢をとる時間が増え、まさに前屈時代といってもよいでしょう。
そんな今、この後屈を意識しているヒトがどれほどいるのでしょうか。
今だからこそ、後屈という動作がいかに重要な運動か理解できると思います。
3.正しい後屈の仕方
著者の今村さんは、後屈をはじめとした背骨の基本動作で大事なことを述べています。
それは、「筋肉を伸ばす」ことではなく
「伸びを感じない方向を探りながら行う」ことです。
無理に伸ばそうとすると、脳は「危ない!」と神経に信号を送り、カラダを緊張させてブレーキをかけてしまいます。
ブレーキを無視してを無理に伸ばそうとすると、当然ケガのリスクが高くなってしまいます。
後屈を行うときに大事なのは、カラダの一部の伸びではなく全体の伸びです。
伸びを感じない下方向に伸びを意識することで、結果的に上への伸びが生まれ、カラダ全体が自然に伸びていきます。
そして、安全に後屈をするためには守らなければいけないルールがあります。
その中でも一番重要なルールが
「背骨を下から順番に動かす」ことです。
魚は泳ぐときに、まず尾びれを左右に動かします。
その動きが波のように背骨を伝わり頭まで届くことで前に進みます。
ヒトの背骨も同様に、「下から上に波及する動き」が正しい動きとなります。
このルールに従って動かないと、腰や首などの局所にストレスがかかり、関節や筋肉を傷める原因となります。
さらに、このルールに従ってカラダにも動かす順番があります。
それは、①足指、②股関節、③お腹、④胸椎、⑤腕、⑥頭という6つのポイントです。
(※正しい「後屈」入門より引用)
この6つの順番で動かしていくことで、理想的な後屈が完成するということです。
今まで伸ばすことに集中してたり順番を考えて動かしていなかった方は必見です。
もちろん私もですが笑
この情報を試してみるだけでも、今後のカラダの動かし方が段違いに変わっていくのではないでしょうか。
ということで、今回は今村泰丈氏の著書「正しい「後屈」入門」について紹介させていただきました。
本には、背骨や柔軟性におけるもっと詳しい情報や、背骨を動かすための6つのポイント別に解説やワークなども掲載されています。
ここまで後屈について細かく、かつ分かりやすくまとめているものはなかなか見たことがありませんので、とても貴重な本だと思います。
Amazonで購入できるので、興味のある方はここでは紹介していない貴重な内容を読んで試してみてください。
カラダが硬い私もこれから改めて後屈に挑戦していくビギナーです笑
是非一緒にチャレンジしてみましょう(*'▽')
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